核に関するあれこれー小林英介の私感打坐ー
只管打坐(しかんたざ)ーただ一つのことに集中すること。
政治・社会などの時事問題を取り上げ、コラムとして投稿。只管打坐の「只管」を「私感」(しかん)に置き換え、評論・コラム「私感打坐」(しかんたざ)と命名。毎週木曜日の連載。noteにも投稿。
2011年に発生した東京電力福島第1原発事故。事故発生時に宮城県などの被災地に住んでいた人らが、損害賠償を東電と国に求めた訴訟の控訴審が行われた。
10月1日の北海道新聞朝刊によれば、「国と東電に対し、原告3550人に計10億1千万円を賠償するよう命じた。」という。
東日本大震災では10メートルを超える津波が襲った。私もテレビで報道を見ていたが、恐れおののいたことを鮮明に覚えている。
さて、判決理由に目を移そう。
なんと、あの巨大な津波を予想できたと裁判長は判断した。いわゆるお金を払いたくないとの理由で津波の予想高さを小さく見積もった...?ん?
本当なんだろうか。賠償額は足りないくらいだと思うけれど。
「巨大な津波を予想できた」。うーん。それは無理だよ。今ならそう言えるかもしれない。でもそんな前例がない当時であれば、楽観視するのは当たり前といえば当たり前なのかもしれない。
ただ、原発は人の棲家やときには放射性物質などの影響で、人の命を奪う可能性もある。楽観視して良いことと悪いこと。この判断を他人が行うのだから、時間はその分かかるだろう。
ところで、北海道の寿都(すっつ)町・神恵内(かもえない)村では、核のごみ(高レベル放射性廃棄物)の最終処分場設置に関し、最終処分場の設置プロセスの第一段階である文献調査に応募する動きがある。
文献調査では、主に火山の位置や過去に発生した地震について調査する。それをクリアするとボーリングなどで地下の状態を調べる概要調査が行われる。そして最後に地下施設で細かい調査などをする精密調査を行う。
これが全て終わるのに20年前後かかるのだから、応募するのも大変だ。ただ、20年かかってもいいから応募したいと自治体は考えているのだろう。
「原発ができれば町の経済は豊かになる」
実際、原発や関連施設がある自治体にはいくらかのお金が入っている事実がある。放射能漏れなどの事故が起きる可能性とお金。財政状況があまりよくない自治体などの応募も頷ける。
原発は怖いけど、経済的に良くなるなら...
気持ちはわかる。
最後に問いたい。
みなさんは原発、好きですか?嫌いですか?