夏の甲子園2日目(4試合)ー第103回全国高等学校野球選手権大会ー
第103回全国高等学校野球選手権大会は2日目を迎える。劇的な試合もあった。「夏の甲子園」。これがなければ夏は越せない。
第1試合 倉敷商3ー10智弁学園
智弁学園が大勝した。
4回に2点を先制した智弁学園は5回、三垣のタイムリーなどで打者一巡の猛攻。7ー0とリードを大きく広げる。7回にも3点を追加して終わってみれば10ー3と大勝だった。
智弁学園先発の西村は8回無失点。次の試合も期待できる内容だった。
一方敗れた倉敷商は、2番手の永野が大量失点。悔しい結果に終わった。
智弁学園・小坂監督
「1巡目は相手のピッチャーに抑えられていて、2巡目になって絞り球が絞れてきた。いい形で点が入ったと思う」と打撃陣を評価。
「県予選からつなぐ野球でやってきた。甲子園は初戦が難しいので、(選手たちが)しっかり準備してプレーしてくれてよかった」と話した。
智弁学園・西村投手
「初回から飛ばした。相手ピッチャーに負けないという強い気持ちで臨んだ」という初回は三振の後ダブルプレー。その後はコンスタントに相手打者を打ち取った。
自分の持ち味はストレートの強さだといい、この試合ではそのストレートの「キレがあってよかった」と絶賛していた。
前日に監督から「完封しろ」と言われていたことを明かしたが「自分から(2番手の)藤本投手につなぐと伝えた。2年生につなげられてよかった」と話した。
そして「これからも一戦一戦一生懸命やります」と気持ちを切り替えていた。
倉敷商・梶山監督
「すべての面で通用しなかった。力負けです」と話した。
「4回に智弁学園の山下選手に(先制となるタイムリー2塁打を)打たれた後、(想定していた)投球のプランが崩れてしまった」とし、「相手打線はここぞという場面で打ってくる。そこにレベルの高さを感じた」と相手打線を称賛していた。
第2試合 横浜3xー2広島新庄
横浜が劇的なサヨナラホームランで白星スタート。
8回終了時点で0-1と1点ビハインドで9回を迎えた。広島新庄は9回に1点を追加し、0-2と勝負ありかと思われた。
ところが横浜は9回に2本のヒットで2死1・3塁のチャンスを作ると、1番の緒方が3点ホームランを放ってサヨナラ。劇的な幕切れとなった。
横浜・村田監督
サヨナラの瞬間を「緒方がしっかり打ってくれた」と回顧した。
何度もチャンスがあった中で、迷いがあったとし「(相手投手が)変化球を駆使して変幻自在の投球をしていて、その中でストレートもかなりキレがあった。思っていた以上に力があった」と話した。そのストレートになかなか対応できない中で選手たちに、「最後は思い切って行けと話した」と戦い方の意図を説明した。
サヨナラ打を打った緒方選手を「これからの成長にもつながる」と評価し、「これからも選手を信じて、一線必勝で戦っていく」と次の試合に臨む。
横浜・緒方選手
「3年生と1日でも長く野球をやりたい」と率直な気持ちを明かし、「人生で一番いい当たりだった」と打席を振り返っていた。
広島新庄・宇多村監督
サヨナラについて「打った(横浜の)緒方選手を褒めるしかない」と語った。
そして「相手打線を8回までよく抑えてくれた」と話したが、「9回にもう1点取れていればもう少し安心してピッチャーが投げられたかもしれない」と反省も忘れなかった。
第3試合 高岡商4ー17松商学園
松商学園が大量得点で2回戦進出を決めた。
相手のエラーなどが絡んで初回に4点を先制した松商学園は2回、4番斎藤がタイムリーヒットを放つなどして7点をリードする。その後も松商学園は9回までに17点を取って大勝した。
敗れた高岡商は3点を返すのが精一杯だった。
松商学園・足立監督
「初回から選手たちが平常心で臨んでくれた結果」と戦い方を評価した。
相手の投手に対しては「低めの変化球をいかに見送れるか」がカギで、「少し抜けてきた球に対しては積極的に行こう」と対策を練った。
次の試合に向けては「しっかりと準備をして自分たちの野球ができるようにコンディションを整えていきたい」と話した。
松商学園・織茂選手(5安打の活躍)
「チームの勝ちに貢献できてうれしい」と話しはじめ、「つなぐ意識で打てた」と自身の打撃を振り返った。
高岡商・吉田監督
「初回の4失点をしのげれば」。
失点は覚悟していたというが「あそこまで失点してしまうとは思わなかった」と驚いた様子だった。
「選手たちはあきらめずに頑張った。3年生に感謝したい」そう話していた。
第4試合 東北学院5ー3愛工大名電
東北学院は3回、山田のタイムリーと相手のエラーで3点を先制する。そして5回には木村と山田の連続タイムリーで5点をリード。そのリードを保って勝利した。
東北学院先発の伊東は9回を投げ切る力投。チームを勝利に導いた。
一方敗れた愛工大名電は、3回まで打線が沈黙。4回以降はあたりが出始めるも、反撃できなかった。
東北学院・渡辺監督
初めての甲子園を「信じられない」と振り返った。
中盤は苦しい場面が続いたが「突き放せなかったので、粘り強くしのいでくれた」と選手たちを褒めた。
守備については「よく集中して守った」とし、山田選手の先制タイムリーは「大きかった」と称賛していた。
そして、次の試合に向けては「精一杯良いところを引き出せるようにしていきたい」と次を見据えていた。
東北学院・伊東投手(9回完投)
「地方大会でも9回を投げぬいてきたが、甲子園では疲れが違う。チームとして打ち勝つ試合ができて良かった。自分の持ち味を発揮できた」と話した。
愛工大名電・倉野監督
「なかなかリズムに乗れなかった」。
「寺嶋に早く交代したが、低めの決め球を打たれてしまった。相手打線が(自分たちを)上回っていた」「東北学院はよく振れる選手がいて、いいチームだった」と話した。
以上が第2日目の結果。智弁学園、横浜、松商学園、東北学院が勝利した。
第3日目も4試合を予定している。