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小林英介のブログ

元フリーランスで現在は業界紙記者である小林英介が、てきとーにニュースや好きな野球について書くブログです。

夏の甲子園を振り返るー④最終回

8月29日に幕を閉じた第103回全国高等学校野球選手権大会は、雨で7日の順延、新型コロナウイルスの影響など、さまざまな問題が浮き彫りになった大会だった。

前回は序盤の雨天順延について取り上げた。今回は最終回。

 

ようやく開催された試合

 

3日連続で大会の順延が決まり、「何とか天候が回復してほしい」と願う人々もいたはずだ。
スポーツ紙や新聞各紙はこの出来事について大きく取り上げた。

そして迎えた4日目、試合は行うが、時間を遅らせて行うとアナウンスされた。私はその時、うれしかったと同時に、試合時間が夜遅くまでかかってしまうのではないかと思っていた。その予測は後に見事に的中してしまうのだが。

そして8月15日、ようやく帯広農ー名桜の試合が開催された。

 

宮崎商・東北学院がコロナで出場辞退

 

新型コロナウイルスの影響が甲子園にも忍び寄った。

8月17日、大会本部は宮崎商が新型コロナウイルス陽性者判明のため、出場辞退すると発表。また東北学院も17日の夕方に「陽性者が特定される可能性があり、生徒の将来に支障を及ぼす恐れがある」(8月18日、日刊スポーツより)として辞退した。

甲子園での不戦勝・不戦敗は初めて。

 

東海大菅生大阪桐蔭は8回途中降雨コールド

 

何とも歯切れの悪い終わり方だった。

17日の第1試合、東海大菅生大阪桐蔭の試合は、8回途中で降雨コールド。7-4で大阪桐蔭の勝利となった。

 

8回の攻撃は3点を追う東海大菅生にとって、絶好のチャンスだった。1死1・2塁のチャンス。ここぞというところで中断。そしてコールドゲーム。あまりにも無念である。

 

 

最終的に降雨での順延は19日が最後。その後は順調に日程を消化した。

 

今大会で浮き彫りになった課題

甲子園開催の是非

ー甲子園で高校野球をすべきなのかー

この問題は以前から議論されてきた。近年、地球の温暖化とともに猛暑の中での試合を見直すべきではないかとの議論がある。また、甲子園で試合をやるのではなく、ドーム球場で試合をすべきだという意見もある。

しかしこれは難しい。高校球児は「甲子園」を目指して高校野球をやっている。その対象物がなくなれば、高校球児は減少してしまうに違いない。甲子園のドーム化も考えられない。青空の下、野球をプレーする。それが高校球児の憧れであり、「甲子園で野球をする」ことである。

 

私が一つ提案するならば、以下の案はどうだろうかとは思う。

・1回戦、準決勝、決勝は甲子園開催、それ以外はドーム球場

初戦はどの高校も甲子園で試合をする。そのあとの試合はドーム球場で。準決勝に進めばまた甲子園で試合ができ、決勝も同じ要領で行う。

こうすれば選手権大会に出場できた高校球児が皆、甲子園でプレーできる。ドーム球場で試合を行える分、天候にも左右されない。今回の大会のような7日間の順延に十分に対応できるはずだ。

 

継続試合の導入

野球にはサスペンデッドゲームコールドゲームがある。

コールド・サスペンデッドゲームには以下の規定がある。

 

正式試合の成立

審 判 員 が 試 合 の 途 中 で 打 ち 切 り を 命 じ た と き に 正 式 試 合 と な る 回 数 の 規 則7.01(c)については、高校野球では5回とあるのを7回と読み替えて適用する。 

 

得点差コールドゲーム (規則 7.01(c))

正式試合となるコールドゲームを採用する場合は、5回 10 点、7回7点と統一
する。ただし、選抜高等学校野球大会全国高等学校野球選手権大会、全国高等
学校軟式野球選手権大会では適用しない。

(以上、高校野球特別規則より)

 

サスペンデッドゲームの取り扱い
サスペンデッドゲームは、高校野球では適用しない。 (規則 7.02)

 

サスペンデッドゲームとは、一時停止試合を意味する。

正式試合として成立した後、同点で打ち切られた場合や天候などによって正式試合のある回の途中でコールドゲームを宣せられた試合において、打ち切られた回の表にビジターのチームがリードを奪う得点を記録したものの、ホームのチームがリードを奪い返せなかった場合などに適用する。

 

例えば、6回表で5ー0のまま試合がサスペンデッドゲームとなった場合は、後日、5-0から試合を再開するという意味になる。以前行われた有識者会議で提言された「投手の投球数は1週間500球以内」という球数制限から見れば、球数は継続。ノーゲームとなった場合には球数が1からやり直しとなるため、その負担は軽減できるというわけだ。

 

高野連は次回大会からの導入を検討するとしているが、「検討」とははっきり言えばあまり考えていないことを指す言葉だ。実現してほしい制度だが、どうなるか注目したい。

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大、そして東京オリンピックの終了直後に開幕した甲子園。選手たちは例年とは全く違う環境で野球に取り組み、試合に出場し、全力でプレーした。拍手だ。

途中で辞退した2校を含め、このコロナ禍の中でよく頑張った。成長した姿を甲子園で見せることができたか。ぜひこの経験を次のステージで生かしてほしいと思う。

 

ー終ー