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小林英介のブログ

元フリーランスで現在は業界紙記者である小林英介が、てきとーにニュースや好きな野球について書くブログです。

自民党新総裁…海外メディアはどう報じているか?ー小林英介の放言硬論ー

 菅首相の退任に伴って、新しい自民党のリーダーを選ぶ自民党総裁選挙が29日午後に開票される。河野太郎行政改革・ワクチン担当大臣、岸田文雄政調会長高市早苗総務大臣野田聖子幹事長代行がしのぎを削った総裁選。それが明日、いよいよ終焉を迎える。

重要な自民党総裁選挙

 待ちに待った瞬間が明日、訪れる。新しい「党の顔」を決める自民党総裁選挙が29日に開票され、政局が大きく動き出す。誰が総裁になるかで、後に行われる衆議院選挙への影響が変わるため、新総裁にとっても自民党にとっても重要な瞬間となる。

 今までこのブログでは日本のマスコミ報道を中心に取り上げてきたが、この記事においては日本の報道ではなく、海外の報道を取り上げようと思う。海外のマスコミは自民党総裁選挙をどのように取り上げているのか、みていこう。

ロイター通信(英)

 イギリスのロイター通信は27日の記事で、「結果は分からない」と総裁選を報道。「公共放送のNHKは日曜日に、岸田候補が河野候補と主導権を握っている。続いて高市候補が党員の間での主導権を握っており、2回目の決選投票は避けられないと報道した」と決選投票に関して言及。初の女性首相を目指す高市候補と野田候補に関しては「当初はチャンスがあるとは考えられていなかった」とし、アナリストの見解として高市候補が「安倍元首相とコアな保守派からのサポートがチャンスを後押しした」と背景を分析した。

 また「河野候補と岸田候補は、安倍首相の『アベノミクス』の拡張的な財政および金融政策と成長戦略の組み合わせが家庭に利益をもたらすことに失敗した点を指摘した」が、「欠陥を修正する方法についてはほとんど具体的ではなかった」と指摘。「すべての候補者は、経済を復活させるための財政刺激策に焦点を合わせながら、棚上げされた日本の巨額の公的債務を是正するため、努力することが期待されている」と注文を付けた。

ワシントン・ポスト(米)

 アメリカのワシントン・ポストも26日に総裁選について報道。「候補者は、パンデミック、経済の停滞、そして中国が支配する地域をめぐる課題に直面している」と日本を取り巻く課題を指摘した。

 また、総裁選を「政治で女性が非常に過小評価されている国で、2人の女性候補者が参加する最初の選挙」と評価。総選挙についても「(自民)党は議会の過半数を支配しているため、総選挙に勝つ可能性が高い」と見通しを解説していた。

環球時報(中)

 中国の環球時報は28日に「河野太郎or岸田文雄? 誰が日本の首相として選挙に勝てるか?」とのタイトルで報道。共同通信の分析としたうえで「4人の候補者のうち、河野太郎岸田文雄が決選投票に進み、自民党総裁を争う可能性がある」との見通しを報じた。

 加えて「国会の支持動向に関する調査は、27日現在、議員やその近親者へのインタビューで確認された」「25日と26日に実施された党員と党員の支持動向調査を投票数に換算したところ、河野氏は300票以上、岸田氏は230票以上、高市氏は165~169票、野田氏は35票」だとした。

 加えて「総投票数764票のうち383票を超える候補者はいなかったため、決選投票には河野氏と岸田氏が進む可能性が高い」と報じた。さらに旧竹下派の動きとして「決選投票にどう対処するかを話し合う緊急会議を開いた」としたうえで、派閥では岸田氏を支持する声が多いとの茂木外務大臣の声を紹介した。

聯合ニュース(韓)

 28日、韓国の聯合ニュースは「2・3位の連帯で逆転の可能性」と報道。日本のマスコミは河野・岸田候補が決選投票に進むと分析しているとしたうえで、「1回目の投票で3位になるとみられる高市早苗候補と、2位と予想される岸田候補が人気の高い河野候補に対抗し、決選投票での連帯を調整しているとの見方が広がっている」と決選投票に向けての動きを報道。

 派閥について「総裁選挙では議員に事実上の自律投票を可能にしているが、決選投票では一致した対応を要求する可能性がある」と決選投票では派閥の縛りが強くなると分析。

 派閥ごとの動きについては「最大派閥であり、安倍前首相が実質的な支柱である細田派は、岸田候補と高市候補のどちらかを支持する方向」と報じられていたり、「麻生派は、岸田候補と河野候補に支持票が分散。二階派も支持候補を一本化する方針で、岸田派は派閥の首長である岸田候補を支持するものと予想」との見方や、「石破派は、河野候補を支持する方向であり、石原派は、河野・岸田候補支持に分散される見込み」としている。

WPは女性進出、環球時報は岸田・河野候補に重点

 ロイター通信は総裁選の結果について「わからない」と報じているように、比較的平たく報じている。また公的債務の是正に向け「努力することが期待されている」とも書かれおり、厳しい意見も投げかけている。ワシントン・ポストは日本における女性の政治進出について触れている。
 候補者についての報道をみていくと、環球時報は岸田・河野両候補を前面に出して取り上げた。一方、聯合ニュースは決選投票が話題の中心で、少し違った角度からの記事となっている。

 この記事の違いが政治スタンスにそのままつながるかは不明だが、こうして報道を見てみると面白いものである。

あす開票、新総裁は誰か?

 総裁選は29日の午後1時から始まる。時事ドットコムによると、午後2時20分頃に1回目の投票結果が、決選投票に進めば午後3時40分頃に最終結果が出る見通しだという。

 果たして誰が新総裁に選ばれるのか。楽しみにしている。