各候補者はどう答えた?自民党総裁選・候補者共同記者会見
17日に公示された自民党総裁選挙。同日13時からは各候補者が演説を行い、自分の政策について訴えた。
その後15時からは候補者が共同記者会見を行い、記者の質問に答えた。
各候補者はどう答え、どう対応したのだろうか。以下、質問と回答を述べる。
なお質問は「ー」の後。回答はその下の文章とする。また各候補者は以下のようにあらわすこととする。
KO=河野太郎候補
KI=岸田文雄候補
T=高市早苗候補
N=野田聖子候補
質問は幹事社の質問が3つあった後、各社が質問した。
幹事社の質問1 総裁選とコロナ
ー総裁選最大の争点は何?
KO国民からの支持
KI自民党の改革(信頼回復)
T国民の命を守り抜くこと
N任期でできることをやる
各候補とも違うことを争点として挙げている。野田候補の争点はあいまいだった。
ー総裁になったら実現したいことは?
KO賃上げ、年金改革などで国民に生活が豊かになりつつあると実感させること
KI新しい日本型の資本主義を構築すること
T日本経済強靭化計画を実施すること
N社会活動を取り戻していく(学校などを中心に)こと
ーコロナ対策の出口戦略は?
KO規制を取り払い、デジタル活用、給付金支払い(必要に応じて)などを行い、早く検査できるキットを安く大量に供給すること
KIワクチンを希望者に接種してもらうこと、治療薬などの開発・普及、経済活動を維持すること
Tコロナ治療薬処方の環境を整備、感染拡大時のための法律整備
N当たり前のように医療を使えるようにする、期間限定の病院を作ること
幹事社の質問2
ー皇位継承についてどう考えるか?
KO有識者会議の取りまとめを尊重する。世の中の共感を得ることが大事。
KI女系天皇反対。
T男系維持のために工夫していく。
N皇位について(総裁選では)議論すべきではないと考えているが、男系維持は難しい。国民にも意見を求めていく。女系天皇も皇位継承ということを考えれば、選択肢に含まれる。
河野候補は回答があいまいだった。野田候補は女系天皇も選択肢に含まれるようなニュアンスの回答だった。
ー憲法改正についてどこを重点的に考えているか、スケジュールは?
KO4項目と野党案を持ち合って議論し、まとまったものから進める。
KI改正は推進すべき。(4項目)自衛隊、緊急事態、教育充実、1票の格差についてはどれも重要。任期中に改正のめどをつけたい。
T改正すべき。自民党から出ている4項目(上記4項目)。特に危機管理条項、9条。「公共の福祉」の概念の明確化
N改正すべき。4項目もいいのだが、国民に聞くのもいいんじゃないか。
岸田・高市候補は「自衛隊」「緊急事態条項」「教育充実」「1票の格差是正」を改正したいとの思いを受け取れた。河野候補は野党と相談しながら改正したいと回答した。
幹事社の質問3 説明責任について
ー森友学園問題は再調査する?しない?理由も
KO公文書管理は大切。再調査の必要はない。
KI足りないことがあれば説明したい。
T文書改ざん・パワハラはあってはならない。再調査については(裁判中のため)コメントできない。
N改ざんなどはあってはならない。調査は必要。
野田候補は必要との回答。岸田候補は「足りないことがあれば説明」とどちらともとれるような回答をした。
ーコロナは「ゼロコロナ」・「経済との両立」どちらを目指す?コロナ増税はある?
KOゼロコロナではなくウィズコロナ。
KI治療薬などがそろうまで、経済対策。
Tゼロコロナは難しい。できるところから経済を動かす。増税はせず、経済を動かす。
Nゼロコロナはない。経済活動を動かしながら、バランスをとりながらやっていく。
しっかり回答しているのは、高市候補だけだったように思える。
ーここから各社の質問ー
ーコロナの経済への影響。業種間個人間での影響に差が出ているが、どう対応するか。経済対策の実施時期なども。
KOデータを用いて早期支払いを行う。規模別に必要な金額を支払い、先払いで、金額が違ったら返金してもらう。
KI数10兆円の経済対策。地域・業種に限定されない、規模に応じた支援。個人へは女性や子育て世帯など苦しんでいる人に対して支援。
T口座とマイナンバーへの反発があったが、実現に近づいている。すぐ振り込めるようにしていく。特別定額給付金再給付(困窮者)の検討。
N一律給付の体制を作りたい。飲食店については、それぞれに見合った給付を行う。
ー中国など権威主義体制国家との外交・防衛策は?TPPに中国が参加するとも表明した。どう対応するのか?
KO国際社会で断固として立ち向かう。価値観を共有する国同士で立ち向かう。中国が武器を買ったとしても、日米同盟などと連携しながら安全保障を考えていく。
KI価値を共有する国とともに姿勢を示していく。経済安全保障については担当大臣を置く。TPPについては、中国が高いレベルのことを受け入れられるかどうか注視していく。
T中国の兵器開発などで日本の技術が取られないよう、スクリーニングをかける。TPPはしっかりと議論する。
N中国などの脅威に対して、国民のコンセンサスを取っていかなければならない。TPPについてはしっかりとレベルを確認して検討すべき。
岸田・河野候補は「価値観を共有する国」という言葉を使った。もう少し具体的な言葉をもらいたかった。
ー10月4日に臨時国会が召集される見込みとなった。総理となった場合は、その臨時国会で所信表明するか。総理就任直後に衆議院解散などの判断を迫られるが、選挙への対応は?
KOしっかりやってまいりたい。
KI所信表明を明らかにしたうえで選挙を行うべきだ。選挙をお願いするために、すべきことを国会で行った後で選挙を行うべき。
T限られた時間で人事などを行わなければならない。国会では所信表明をすべき。精一杯のことを伝える。
N所信表明を行い、質問も受け、国民の不安を取り除くことが仕事だ。国民との不信を取り除くため、説明責任を果たすに尽きる。
共同記者会見の内容は以上だ。
読者の皆さんは、回答を見てどう感じただろうか。
質問にしっかりと真正面から答えている候補もいれば、そうでもない候補もいた。質問への対応力というのも、総裁・総理に求められる。
今後は、18日午後2時から日本記者クラブ主催の公開討論会を開催。20日は自民党青年局・女性局主催の公開討論会が開催される。
また23~26日にはオープンタウンミーティングがオンラインで開かれ、28日に党員投票が締め切られる。そして29日13時から運命の投票・開票作業となる。
※この「オープンタウンミーティング」には私も申し込む予定。何を質問するかはまだ決めていないが、もし質問の機会をいただけたら疑問をぶつけたいと考えている。このブログでも感想を含め共有したいと思っている。