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小林英介のブログ

元フリーランスで現在は業界紙記者である小林英介が、てきとーにニュースや好きな野球について書くブログです。

岸田政権は「ハネムーン期間」をどれだけ維持できるのか

 4日、衆参両会議で首相指名選挙が行われ、岸田新首相が誕生した。岸田政権が動き出すと、報道各社は世論調査の結果を発表する。この数値がどうなるかで、政権の今後を左右することにもつながる可能性がある。

厳しい評価を避ける「ハネムーン期間」

 政治・報道用語に「ハネムーン期間」という言葉がある。ハネムーンは結婚した月や、1か月間という意味だ。政治学の上では、民主主義国家で新政権が誕生してから100日(3か月)前後、政権に対して厳しい評価を避ける傾向にあることを指す。

 すなわち、政権が誕生してから数か月は内閣支持率が高い状態を維持し続ける。それがハネムーン期間を過ぎると、それほど高くはなくなる。

 もちろん、政権を占う指標「青木率」(内閣支持率政党支持率の合計が50を下回れば、政権が持続しない法則)も見ていかなければならないが、岸田政権の存続が危うくなるほど下がることはないと思われる。

麻生政権・政権交代

 では、過去の政権の支持率・青木率はどうだったのか。事例を見ていこう(ここからはNHKのデータを使用する)。

 2009年の政権交代前の内閣は、麻生内閣。政権発足時ー2008年9月の支持率は48%(青木率は85.3)、10月46%(同80.1)、11月49%(同84)、12月25%(同53)と一度上昇したものの、減少傾向になっている。 

 政権末期の2009年7月には内閣支持率が21%、自民党支持率が24・9%で青木率は45・9%ーと50%を割っており、大変厳しい状況だったことがうかがえる。

 自民党はその年の第45回衆議院選挙で民主党に敗北。政権交代が実現した。

民主党政権・自民政権奪還

 民主党政権が誕生した同年9月の緊急世論調査では、鳩山政権の支持率が72%、民主党の支持率は42%だった。青木率は114%で100%を超えており、期待が高かったことが分かる。支持率は10月に70%(109.7)、11月65%(102.7)、12月56%(91.6)と低下。政権末期の2010年5月には政権の支持率が21%となり、民主党の支持率も20・8%となった。青木率は41・8%で、6月には菅政権に代わっている。

 そして民主党政権最後となった野田政権。発足時点での内閣支持率は60%(84.9)とまずまずだったが、翌月には53%(75.6)、11月45%(65.9)、12月37%(53.9)となり、12月には与党・民主党の支持率を野党・自民党が上回った。そして1年後の政権末期(2012年11月)には、政権支持率23%、民主党支持率が12・7%(青木率35・7)と大変落ち込み、自民党が政権奪還(12月)を果たした。

 新たに誕生した安倍政権の支持率は、64%(2013年1月)で、自民党の支持率は37・8%。青木率は101・8%で盤石だ。それから長らく、現在に至るまで自民党政権は続いている。

 

このように、政権が誕生した際の支持率は高い。しかし、それは日を追うごとに下がり始める傾向にある。例外もいくつか存在するが、あくまで「傾向」としてとらえてほしい。

この記事で取り上げた2012年の安倍政権を除く政権は、政権が誕生して2~3か月後から支持率が下がっている。ただ安倍政権は、それまで政権を担っていた民主党から政権交代したばかりであり、民主党への失望感が安倍政権への高い支持率として反映されたとみられる。

岸田政権は支持率を維持できるか

岸田新政権の課題は、いかにこの支持率を維持していくかである。

岸田首相は、10月31日に衆議院選挙の投開票を行う意向だという。これは前述の「ハネムーン期間」を大いに利用し、自民党議席を維持したいとの思惑もあるのだろう。ハネムーン期間であれば、多少のことがあっても選挙はうまくいく。それを狙って早期に選挙をしておくという考えなのだ。

 早期に選挙をするのであれば、政権としての仕事は何もできないはずだ。そうすると、前政権の評価と新政権への期待が票に表れることになる。自民・公明の与党か、それとも野党か。今月末に審判が下る。

毎日新聞が5日に発表した支持率は、49%だった。