只管打坐(しかんたざ)ーただ一つのことに集中すること。
政治・社会などの時事問題を取り上げ、コラムとして投稿。只管打坐の「只管」を「私感」(しかん)に置き換え、評論・コラム「私感打坐」(しかんたざ)と命名。毎週の連載。
「言うは易く行うは難し」(いうはやすくおこなうはかたし)という言葉がある。weblio辞書によると「口で言うのはたやすいけれども、それを実行することは難しい」という意味だそうだ。自分で「億万長者になります」と言っても、なかなか億万長者にはなれない。世の中はそんなもんじゃない。この言葉は私たちが待ち受けている試練を示唆する言葉なのだ。
「あの人は口だけ」。こんな人は沢山存在する。政治家もそうだ。選挙の時は「~やります!」と高らかに声を上げ、有権者に呼びかける。しかし当選が決まって仕事が始まると、これまでの意気込みが噓のように居眠りを始める。何たることだろうか。今まで私たちが信じてきたことを台無しにされる。これが繰り返されればどの議員も信じられなくなる。投票率低下の一因でもあるだろう。
東京オリンピックにおける対応も同じだ。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会・森喜朗会長の「東京オリンピックの開催に向けて予定通り準備を進めている」旨の発言。現在、日本がおかれている状況を理解できているのだろうか。日本側から「中止だ!」と発表すれば金銭を求められる可能性もあるというが、オリンピックで大切なのは選手なのだ。各国の代表として競技をするのは選手。選手の方がもっともっと大切な存在だ。
東京都の新型コロナウイルス感染者は毎日1000人以上で推移している。新規感染者が3桁に戻ることは少なくなった。この状況は大変憂慮するべき事態だ。オリンピックを開催している場合ではない。一部海外メディアも「東京オリンピック・パラリンピックの開催は中止になったとの結論に至った」と報道しており、オリンピック中止論はますます現実味を帯びてきている。
もしオリンピックが中止になれば、今まで「開催する」としていた発言がどのように変わるのかも見ものだ。「オリンピックをやろうとしていたけれど、IOC(国際オリンピック委員会)がやめると言い出したので私は残念だ」「私は開催したいと思っていた。IOCが判断したことなので、日本は責任を負わない」このような見苦しい姿を国民に見せることになるのか。それとも逆転サヨナラ満塁ホームランとなり、オリンピックを開催するのか。私たちは半ば呆れながら情勢を見るしかない。