8月10日、第103回全国高等学校野球選手権大会が開幕した。この記事では試合に先立って行われた開会式の模様をお伝えする。開会式は9日に行われる予定だったが、台風接近の影響から10日に順延された。
10日、第103回全国高等学校野球選手権大会の開会式が、兵庫県の阪神甲子園球場で開かれた。
開会式に先立つアナウンスでは、
「コロナ禍で、昨年の第102回全国高等学校野球選手権大会は中止となりました。
多くのスポーツ大会や文化イベントも中止や延期に。今年の第103回大会は選手や観客の皆さんの感染症対策・熱中症対策にも一層の工夫をして開催する新生大会」と強調された。
例年と違う開会式
今大会の開会式は例年と違い、入場行進はない。選手たちはあらかじめ外野に並んだ状態で開会式がスタート。北北海道代表から1校ずつ呼ばれ、呼ばれた高校から前進し、足踏み。そして最後の沖縄代表の校名が呼ばれると、ここは例年通り。全49代表校が一斉に歩いて前進した。
開会式の間、選手たちは新型コロナウイルス感染防止対策としてマスクを着用。甲子園に来られて嬉しいという思いと、例年通りに開会式に臨めないという戸惑いが垣間見えた。また、熱中症対策として、水分補給の時間も設けられた。
代表者あいさつ
代表者あいさつで、大会会長の中村史郎朝日新聞社社長は「2年ぶりに夏の選手権大会がここ、阪神甲子園球場に帰ってきました」と述べ、前回大会が新型コロナウイルスを考慮して中止になったことに触れ、大会の実施について「私たちはぎりぎりまで検討を重ねました」とあいさつし、大会の開会を宣言した。
また丹羽秀樹文部科学副大臣は、「いよいよ皆さんの暑い夏が幕を開けます」「この大会で得られる貴重な経験を糧として、これからも充実した学校生活を送り、大きく成長することを願う」とお祝いの言葉を述べた。
選手宣誓
選手宣誓を務めた石川県・小松大谷高校主将の木下仁緒選手は、「私たちの部活動や学校生活は、2年前とは全く違うものとなった」「『思いを形に』この言葉を胸に、自分の目指すべき道を定め、友の笑顔に励まされ、家族の深い愛情に包まれ、世界のアスリートから刺激を受け、一歩一歩歩んできた」とこれまでのことを回顧。
そして「人々に夢を思い描けることの素晴らしさを思い出してもらうために、気力・体力を尽くしたプレーで、この夢の甲子園で高校球児の誠の姿を見せることを誓います」と力強く宣誓した。
選手宣誓の後、インタビューに答えた木下主将は、「ほっとした気持ちが一番強い」「一番良かった」と話した。また宣誓の中で触れたように「夢」だった甲子園は、「憧れの舞台」で、選手宣誓できたことについて「誇りに思う」と謙虚だった。また3日目第4試合に控えている初戦について、「しっかり勝ち切れるように厳しくやっていきたい」と気持ちを切り替えた。
開会式は例年より時間を短縮して行われた。
新型コロナウイルスの影響があるにせよないにせよ、これからは挨拶を短くしてテキパキと開会式を進めるのが選手のためになるだろう。