夏の甲子園4日目(4試合)ー第103回全国高等学校野球選手権大会ー
第103回全国高等学校野球選手権大会は4日目。
強豪校の敗戦、完封勝利もあった。
第1試合 長崎商8ー4熊本工
長崎商業が意地を見せつけた。
長崎商業は初回に先制されたものの、1回裏に3番大町・6番松井・7番鬼塚のタイムリーで逆転する。3回には同点に追いつかれるが、その裏にはまた6番松井・1番大坪が再び逆転となるタイムリーヒットを放って再逆転。4回には4番宮城のタイムリーなどでダメ押しした。
投げては長崎商業の先発・城戸が5回3失点の粘投。チームを勝利に導いた。
一方敗れた熊本工業は、長崎商業の攻撃に食らいついたものの、スタミナ切れだった。
長崎商業・西口監督
相手の攻撃について「初回(の失点)が2点に収まったのが大きかった」と話し、
「(その裏に)3点(を返したこと)が大きかった」と攻撃面にも言及した。
打撃に関しては「打線はつなぐことを意識してやっているので、それができて良かった。高めの球を意識して(打つ)練習をしていた」と対策を語った。
試合全体については「今日は堅かったが、よくやった」と話した。
「(チームとして)1球勝負にこだわってやってきた。それができて良かった。次につながるゲームだった」と次の試合に気持ちを切り替えた。
先発・城戸投手
「初回は最少失点にしようと思った」と話し、「粘り強く投げられた」と今日の投球を自己評価した。
熊本工業・田島監督
「序盤の失点が大きかった」と話し始めた。
初回については「先制してよかったと思ったが、そのあとの失点が痛かった」と沈痛な面持ち。打線について「あと一本が出なかった」と冷静に分析していた。
第2試合 専大松戸5ー0明豊
専大松戸が強豪・明豊を完封で下した。
専大松戸は1回、相手投手の暴投とダブルスチールで2点を先制すると、4回には吉岡のタイムリー、5回には大森のタイムリーで4-0とリードを広げた。そして8回にも相手のフィルダースチョイスでダメ押しの1点を追加し、5-0とした。
専大松戸先発の深沢は、9回無失点完投。次の試合にも期待がかかる。
一方敗れた明豊は、ランナーを出すものの後続が続かなかった。
専大松戸・持丸監督
「(チームとして)ランナーを出したら乗り残さないようにと思ってやってきた。それができたような気がする」と試合内容について評価した。
初回のダブルスチールは「石井の好判断で。高い球が来たら走れという指示は出していた」と話した。
また今日の試合を「こんな効率のいい得点は珍しい」と語り、「(選手たちが)予想以上のことをしてくれた」と絶賛していた。
先発の深沢については、「最高です」とその投球を褒めた。
「継投は考えていたが、7回に1点取ってから、完投に切り替えた。インコースの球が良かった」という深沢。
本人は「ピンチの時こそ厳しいコースに。これを実践できた」と話した。
「センバツで負けてから甲子園で1勝を目標にしてきた」とし、今日の試合は「要所で抑えられた」と語った。7-0
明豊・川崎監督
「(相手先発の)深沢投手に大人のピッチングをされた。外を中心に攻めてくる投球をどう打つかと考えていたが、できなかった。こちらの方が若干、浮足立ってしまった」と反省しきりだった。
第3試合 沖縄尚学7ー0阿南光
沖縄尚学が2回戦へと駒を進めた。
沖縄尚学は初回に2点を先制すると、7回に2点を追加。8回にも知念大・大城のタイムリーで7-0とした。
沖縄尚学先発の當山は9回を投げて無失点完投。次の試合も楽しみだ。
一方敗れた阿南光は、相手先発の當山からヒット2本と完璧に抑え込まれた。
沖縄尚学・比嘉監督
沖縄県勢100勝に「大会に入る前に、なんとしても勝ちたいという強い気持ちはあった」と話した。
試合については「県大会決勝から日が空いたので、もたつくかなと心配していたが、守りも攻撃も思った以上の動きを見せてくれたのが良かった」、初回の2アウトからの得点については「(点数を)取りたいところでとれたし、いいピッチングにもつながったと思う」、「2アウトから簡単に3人で終わるとか、そういう淡泊な部分が見えるチームだったが、ここにきて粘りが見え始めていると思う」と語った。
先発の當山投手については「実戦から離れており、もう少しボール球が先行するかと思っていたが、最後まで的を絞らせず、いいピッチングだったと思う」「前半は「ストレートに合わされている感じがした。そこは変化球も織り交ぜながら配球していくようにバッテリーには伝えていた。予想を超えるピッチングをしてくれた」と大絶賛だった。
そして「何とか沖縄県を元気づける試合をしたい」と力強く語った。
先発・當山投手
完封について「野手が先制してくれた。追加点も取ってくれたので、自信をもって投げられた。(チームは)守備力も高いので、打たせて取ろうとした。その結果完封となったと思う」と話した。
また「試合中もキャッチャーと(一緒に)打者が何を狙っているか心がけて話していた」、三振については「打たせて取るのが自分の持ち味だが、要所で力を入れて三振を取ることができたので良かった」と笑顔で話した。
自分の投球は「2アウトからの出塁が課題だった。80点くらいかな」。次もチームを勝たせるピッチングを心掛ける。
中山監督
「甲子園のリハーサルもないまま試合に臨んだので、選手たちも戸惑っていたようだ。力を出し切れずに終わってしまったけれど、頑張っていた」
「先に3点取られて、1、2点勝負ということを考えていたが、相手投手の出来が良く、打ち崩せなかった」「(先発の森山投手については)球数が多くなったが1球1球が経験になって今後につなげてくれるのでは」と話した。
第4試合 盛岡大附7ー0鹿島学園
盛岡大附が快勝した。
盛岡大附は4回、兵内の先制となる3ランホームランで先制すると、6回には相手のエラーなどで7-0とリードした。
先発の渡辺は9回無失点完投。相手打線にヒットを打たれながらも、要所を抑えた。
一方敗れた鹿島学園は、幾多のチャンスを生かせなかった。
盛岡大附・関口監督
「ワンチャンスしかなかったので、あの点数の取り方でしか流れを変えられなかった」と話した。6回の攻撃・スクイズについては「渡辺は信頼している選手なので、どの方法でもランナーは返せたかもしれないが、確実な手を使った」と話していた。
平内選手
4回に先制となるホームランを打ったことについて「打った瞬間、行ったなと思った」
「どこまでいったかは見ていませんでした」と話した。
また「今日はやってやろうと思っていた。自分がこれまで頑張ってきて、甲子園で1本打てて本当にうれしい。ピッチャーの渡辺が頑張っていたので、何とか打ちたかった」と嬉しさ満開だった。
鹿島学園・鈴木監督
「先制したかった」と話し始めた。「薮野は4回まで非常に良かったが、いつもよりモーションが早かった気がする。」「4回は薮野が少し気落ちしたように見えたので、タイムを取った」と4回を回顧した。
また「(打線は)フライが多すぎた。あれではランナーが進まない。低い打球が打てればヒットエンドランも考えられた」と少し打線への不満を口にした。
そして、選手たちには「これを生涯の財産にしてほしい」と話していた。
5日目は4試合を予定している。