甲子園準決勝戦力分析ー第103回全国高等学校野球選手権大会ー
第103回全国高等学校野球選手権大会は26日に準々決勝を終え、ベスト4が出そろった。27日は休養日で試合がない。
そこで今回は28日の準決勝に向け、各校のこれまでの戦い方を振り返り、準決勝の戦力分析としたい。
今大会のベスト4は次の通り。
近江(滋賀)
智弁和歌山(和歌山)
智弁学園(奈良)
京都国際(京都)
投手2本柱の近江―分業制の智弁和歌山
近江は山田と岩佐の投手力がカギだ。全試合で登板している両投手。23回と1/3を投げている山田(2年)は、4試合で球数が361球。1週間で500球という制限を考えれば、残り2試合で139球。1試合60~70球を投げるか、1試合で投げ切るかだ。一方3年の岩佐は同試合数で194球。残り2試合で306球。山田に比べれば余裕のある数字だが、けがの影響もあって登板数も少なくなっている。投手をどうやりくりするかに注目だ。
打線は中軸を打つ山田、新野、島滝を中心として長打力があり、層が厚い。また上位打線から下位打線へとつながる位置には明石が控えており、打点を稼ぐ。
その近江と対戦するのが智弁和歌山。19日に予定されていた初戦の宮崎商戦は、宮崎商が新型コロナウイルスの影響で出場辞退。今夏初めての試合は24日の高松商戦だった。
打線は宮坂、大仲、角井、徳丸ら上位打線を中心に下位打線まで穴がない。特に4番の徳丸、7番の高嶋は長打が打てる。
投手陣は1人に頼ることなく、分業制が成功しているチームと考えてもいいだろう。高松商戦で登板した3年の中西は8回と2/3を投げて145球、1失点と上出来だ。26日の石見智翠館戦では2年の塩路が6回無失点。そのあとを受けた高橋、武元も好投を見せた。
近江には軸となる投手がいるが、それらが崩れれば智弁和歌山に勝機はある。智弁和歌山は投手の分散に成功していて、たとえ1人の投手がだめになっても「替え」がいる。打線は両校ともに強力であり、試合は投手にかかっているといっても過言ではないだろう。
大量得点狙える智弁学園―粘りを見せたい京都国際
準決勝第2試合に登場するのは智弁学園と京都国際だ。
智弁学園は前川を中心とした打線に勢いがある。岡島は長打、単打ともに打てる打者で手ごわい。チームとして連打が多く、大量得点も狙える打線。一度勢いがつけばなかなか止められないような雰囲気を持っている。
投手は3年の西村と小畠が中心。西村は3試合を投げて2失点。327球を投じており、球数は残り2試合で173球となる。小畠は130球を投げ、残り370球。球数には余裕がある。また2年の藤本も1試合ながら登板しており、投手事情は苦しくなさそうだ。
京都国際の投手陣は森下が軸。2年の平野も5回を投げて無失点と期待がかかる。全試合で投げている森下は370球を投げており、残りは130球。平野に継投するのか、1試合に懸けるのか。試合展開によってこれは変わるが、果たして。
打線は中川、辻井という3、4番のコンビが打線を引っ張る。比較的長打を打てる打者が多く、智弁学園に少し劣りはするが、粘りを見せられそう。
智弁学園と京都国際の対戦ははっきり言って予想できない。ただ総合的に智弁学園に少し分があると予想する。しかしそこは一発勝負の高校野球。何が起こるかわからない。
4校には、ぜひとも負けたチームの分まで頑張ってもらいたい。
28日は準決勝の2試合が予定されている。
29日・決勝は14時から行われる予定だ。
※球数は大会計