自民党総裁選ー河野太郎候補の政策~5本柱を中心に~
自民党総裁選ー河野太郎候補の政策~5本柱を中心に~
連日、自民党総裁選挙のニュースが続いている。
誰がどの候補を支援するーしないなど、情勢は短時間で変化している。
さて、私は以前、以下のような記事を投稿した。
chimatabaseball.hatenablog.com
この記事で紹介した3人とは別に、元防衛大臣の石破茂氏が自民党総裁選挙に立候補しない見通しとなった。そして石破氏は河野候補を支援するとみられる。
河野候補の5本柱
河野候補は、総裁選特設ホームページで以下の5つを柱とした政策を掲げる。
どうだろうか。私は少し「あいまい」な印象を受けるが。
今回の記事では、それぞれについて詳しく見ていこうと思う。
①「命と暮らしを守る政治」
まず、河野候補は新型コロナウイルスについて、以下のような言葉から始めている。
「新型コロナウイルスについて、最新の科学的知見に基づいたわかっていること、わからないこと、できること、できないことをしっかりと国民と共有し、謙虚に、わかりやすい対話をしながら決めていきます」
国民は分かりやすい情報を欲している。わかりづらい情報では国民が離れてしまうのだ。
続いて
「ワクチン接種を迅速に進め、必要な3回目接種の準備をします。 また、ワクチン2回接種後の経済・社会の平常化プログラムを提示します」とある。
河野候補は新型コロナウイルスのワクチン担当として対応にあたっている。その経験を生かしてワクチン接種に臨むようだ。またコロナ対策と同じくらい重要なのが「経済・社会の正常化」。コロナで疲弊した社会をどうやってもとに戻していくのだろうか。
「必要な時には思い切った人流抑制で感染拡大をおさえます」との文言もあった。
ただし、曖昧である。何らかの法整備を行うのか、現在の法律の中で試行錯誤していくのか。詳しく知りたいところだ。
「検疫を強化して、新たな変異株の国内侵入を防ぎます」。
コロナが感染拡大を見せる中で、海外からの観光客をどうすべきか。政府の初動は遅れてしまったといわざるを得ないが、河野候補は「検疫を強化」としている。
「自然災害から命を守る、持続可能なインフラを次世代に残す」「災害復旧、復興時に支え合う人のつながりや地域コミュニティを守り育てる」
日本における自然災害は近年、頻発している。毎年のように豪雨・土砂災害が発生。ゲリラ豪雨も当たり前になった。
もし何らかの被害が出た場合、重要なのが「その後」のことだ。災害からの復興を目指すには、沢山の人の協力が不可欠である。加えて、地域のつながりがあってこそ、その輪が大きくなっていく。それがさらに大きくなると、日本全体にいい影響を及ぼすのだ。
②「変化の時代の成長戦略」
このセクションでは、経済に触れることが多くなっている。
「温もりある地域経済・社会を支える中小企業や個人事業主を守る」
前述したように、コロナの感染拡大で世界経済はもちろん、日本経済も大きな影響を受けているため、冷え込んだ経済を「温もりのある」経済で温めていこうと思っているのだろう。また、個人事業主もコロナで大打撃を受けた。そこへの対応も注目される。
「暮らしやすさと働きやすさを両立、あらゆる人が働くことを通じて社会参加できる温もりある社会をつくる」
また出てきた。「温もり」だ。「あらゆる人が」は前述したような障害者・健常者問わずといった意味なのだろうか。
「食料の確保は国の基本であり、持続可能な農林水産業をつくる」
持続可能な開発目標として、最近「SDGs」という言葉が使われている。日本においてもSDGsに取り組む必要があり、それを意識したと推測する。
「産業界も安心できる現実的なエネルギー政策を進める」「環境・気候変動対策、経済の好循環をつくり、2050年にカーボンニュートラルを実現する」
これらはエネルギー・環境政策。「現実的なエネルギー政策」が何を意味するのかは不明だ。
カーボンニュートラルとは、従来のカーボン・オフセット(温室効果ガス(以下、「ガス」)の排出についてできるだけ削減する努力をするが、どう頑張っても排出されるガスについては、その量に合わせた削減活動に投資などを行うなどし、排出されるガスを埋め合わせる考え方)を推進し、排出量すべてを相殺すること(環境省ホームページ「カーボン・オフセット」を参考)。
「デジタル、グリーンをイノベーションの核として日本の稼ぐ力を伸ばす」
デジタルはDX(デジタルトランスフォーメーション。デジタルを通じて社会や企業などを変えていくこと)として日本でも進められている。それとともに「グリーン」を取り上げた。グリーンは菅内閣の政策「グリーン成長戦略」として位置づけられているが、それを前面に打ち出すのだろうか。
③「新しい時代のセーフティネット」
「出産、子育てから老後まで、暮らしを守る、持続可能な全世代型社会保障制度を構築」
「ゆりかごから墓場まで」という言葉があるが、生きやすい・過ごしやすい社会は必要だ。それが全世代にわたって続くとなると、満足感は大変強いものとなる。
ところが、それを実現させるのは難しすぎる。大勢の人がいて、それらの人々を満足させるのは至難の業だが、どうするのか。
「少子化に歯止めをかけ、子育てをしっかりと支援」
日本の将来を担う子どもだけは、しっかりと支援してほしい。大人はどうでもいいとは言わないが、せめて子供には大人よりも手厚くしてほしいと思っている。でも、この言葉だけでは具体性が見えない。
「初等教育から高等教育まで、すべての子どもたちの教育機会の平等を保障する制度をつくる」
保障するのはいいのだが、問題は文部科学省(文科省)、財務省などとの折衝だ。
教育では文科省、さらにはお金が関わることでもある(財務省)。いざこざが起きてでも改革をする「自信」はあるのだろうか。
④「国を守り、世界をリードする外交・安全保障」
ここでは安全保障・外交について触れている。
「現実の脅威にあわせて、サイバー・宇宙、電磁波など新しい分野における自衛隊の防衛能力を向上」
現代は、実際の軍事力行使ではなく、サイバーなどインターネットを用いた攻撃など、新しい攻撃方法が採られている。我が国も新しい攻撃に対応した戦略を練る必要があるというわけだ。
「自由と民主主義、法の支配、人権といった基本的価値を守る同盟を構築し、国際社会の中で、日本の確固たる地位を確立します」
うーん。といった感じ。
「基本的価値を共有する国々との同盟で、独裁体制・監視社会の広がりを防ぎます」
北朝鮮や中国を意識した文言なのだろうか。
⑤「新しい時代の国のかたち」
「立党の精神に立ち、新しい時代にふさわしい憲法改正をすすめる」
憲法改正は安倍前総理が強い意欲を見せている。今年の衆議院選挙のマニフェストに「憲法改正」を盛り込むのかも注目される。
「自民党の総力を挙げて、国民が参加して、この国の未来を決める、わかりやすく、オープンでクリーンな政治を実現します」
安倍・菅政権で明らかとなったことを覆したい。そんな気概を感じる。
「政府の『天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に関する有識者会議』の議論を尊重」
皇室関連の動きとして、秋篠宮家の長女である眞子様と、そのお相手の小室圭さんとの話題が絶えない。NHKの9月1日の報道によると、「秋篠宮ご夫妻の長女の眞子さまが、婚約が内定している小室圭さんと年内にも結婚される方向で調整が進められていることがわかりました」と報じた。
また女性宮家の議論も続いており、どのような対応を見せるかにも注目したい。
私は河野候補の出馬記者会見を全て見たが、とにかく「あいまい」な印象だった。
ただ、新型コロナに関しては比較的強調。ワクチンについて熱弁していた。
以上が河野候補の考え方だ。会見後の質疑応答では、質問に対してあいまいな返答をする場面もあったため、評価が悪化した可能性もある。
しかしそこは経験豊富な政治家。これから一発逆転の可能性も否定できない。
河野候補は総裁に上り詰めることができるのだろうか。
(引用・参考
河野太郎総裁選特別サイトーhttps://sosaisen.taro.org)