中国をけん制?クアッド首脳会談開催へ〜「一帯一路」と中印関係ー小林英介の放言硬論ー
アメリカを訪問中の菅首相は24日(日本時間)、インドのモディ首相と会談した。会談では中国情勢について意見交換し、日・印で連携を緊密にしていくことで一致。ロイター通信によると、会談には中国に対するけん制の意味があり、「安全保障や経済分野で協力することも確認した」という。さらに25日には日・米・豪・印の4か国で首脳会談を開く予定だ。
米・英・豪は「AUKUS」を締結
また15日、アメリカ・イギリス・オーストラリアは軍事的連携の枠組み「AUKUS(オーカス)」を締結した。AUKUSは海洋進出を続ける中国を念頭に置き、締結した意図もある。それに加え、日・米・豪・印の4か国が組織する経済・安全保障枠組み「クアッド」との関連もあり、25日に首脳会談が実現する模様だ。
インドは中国と不仲、中国は引き離し画策
ちなみに、インドと中国の関係は著しくない。その最たる例が、不明確な国境を契機として勃発した1962年の「中印国境紛争」である。国境地帯では衝突が続き、昨年も中印国境で両国の武力衝突が発生している。
このような関係にある両国だが、中国が歩み寄る姿勢を見せた。今年4月、新型コロナウイルス感染拡大を受け、中国がインドに対して人工呼吸器等の支援を表明。その裏には問題の解決を図ると同時に、インドの「クアッド離脱」を画策しているとの見方もある。
「一帯一路」とマラッカ海峡
中国は、インドネシア・マレーシア付近にある「マラッカ海峡」を重要地点の1つとしている。以前、中国は「一帯一路構想」なるものを提唱。ユーラシアやヨーロッパなどを巨大な地域経済圏とする構想だった。もしマラッカ海峡が封鎖されてしまえば、船が通れなくなって物資輸送の障壁となって流れが悪化。構想にも影響が及ぶ。封鎖の可能性を考慮し、ミャンマーに鉄道を敷いて中国まで物資を運ぶ計画もあるとみられる。
菅首相は計4ヶ国訪問、ワクチン追加要請も
菅首相にとっては、首相在任中で最後の外遊となる。初の海外訪問は昨年10月。インドネシア・ベトナムを訪問し、ベトナム在留邦人代表者との昼食会に出席するなどした。今年4月のアメリカ訪問ではアメリカのバイデン大統領と会談。「日米両国は、両国のパートナーシップが今後何十年にもわたり、両国の国民の安全と繁栄を可能にすることを認識し、確固たる同盟という考え方そのものへの投資を新たにする」と日米首脳共同宣言を発表した。またファイザー社CEOのアルバート・ブーラ氏と行った電話会談で、新型コロナワクチンの追加供給を要請した。6月にもG7サミットが開かれたイギリスを訪問した。
新首相の外交に期待
菅首相は9月で退任する。安倍元首相の後を受け継ぎ、不器用ながらも日本の先頭に立っていたと思われる。是非、次期首相には積極的な外交を行ってもらい、日本の底力をアピールしてほしい。
総裁選は「根回し」と「選好」で左右するー小林英介の放言硬論ー
29日開票の自民党総裁選挙まで1週間を切り、各候補の政策や発言などもまとまってきたと考えていいだろう。あとは29日までに、どれだけ現在の状況よりも支持を得ていくかがカギとなる。加えて「根回し」も必要になる。何の根回しかといえば、ただ一つ。「決選投票にもつれ込んだ場合に、よろしくね」。これだ。
weblio辞書(デジタル大辞泉)によると、根回しとは「交渉や会議などで、事をうまく運ぶために、あらかじめ手を打っておくこと。下工作」をいう。
総裁選は決選投票になる可能性がある
以前、以下のような記事を公開した。
chimatabaseball.hatenablog.com
この記事で触れているように調査に関する疑問点はありながらも、報道各社は世論調査を行って総裁選候補者の支持率を調査している。トップの支持率と次位の支持率を比較すると開きがあるが、この開きが29日の開票でどう変化するかは不明だ。
そもそも総裁選のルールとして、1回目の投票で誰か候補1人が国会議員票・党員票(事前投票。得票数をドント式で分ける)各382票、計764票の過半数383票に届いた場合は、その候補が当選となる。ところが、今回の総裁選は接戦が予想されているため、この過半数383票を獲得する候補が現れることはないと思われる。その場合は、投票数が多い2人による「決選投票」が行われる。
決選投票は国会議員票382票と、47都道府県票47票を合計した429票で争われる。決選投票は単純に「多い票を獲得した方が勝利」となり、圧倒的に国会議員票が多いため、国会議員の「根回し」が重要な戦略になるのだ。
決選投票は様々な可能性を含む
まず、この4人の中で派閥に属しているのは2人。河野候補(麻生派・志公会)と岸田候補(岸田派・宏池会)だ。高市候補と野田候補は無派閥であることも付け加えておく。
今回は派閥に関係なく投票先を決めてよいとの動きがある一方、決選投票になった場合、やはり最終的には「派閥」に沿う形で投票先が決まるという分析がある。
毎日新聞の8月28日の配信記事によると、麻生派は53人、読売新聞オンラインの7月9日の記事によると、岸田派は47人。人数で見れば麻生派が有利とみられるが、前述のように派閥内でも支持者が割れており、どう転ぶか分からない。そこに選好が混ざると訳が分からなくなる。選好とは、個人が持っているある対象に関する好みをいう。情勢が混沌してくると、根回しと選好が全てを左右するのだ。
先が読めない総裁選、報道にも目を光らせよ
選挙まで1週間を切ったため、報道にも注意しなければならない。例えば、少し騒動になっている河野候補の件や野田候補の件などだ。
テレビを見ていると、これらに関する目立った報道はない。今、報道しない理由としては、色々考えられる。1つは口止めされている、また1つはネタとして取り置きしている、そしてもう1つは、気が付いていないーである。
報道すべきことをせずに、報道を名乗ってはいけない。それを防ぐため、私たちが直していかなければ報道の質は上がらないと思っている。
ぜひ読者の皆さんも報道に目を光らせ、指摘してほしいと願う。
マスコミは世論調査を正確に実施すべきだー小林英介の放言硬論ー
自民党総裁選挙は来週水曜日、29日に開票を控える。候補者らは討論会に参加し活発な議論を繰り広げ、報道各社も総裁選挙に関連した情報を発信し続けている。特に自民党総裁選挙が告示される前後から、テレビの政治ニュースは総裁選一色。野党の話題は隅っこに追いやられ、存在も目立たなくなってしまった。総裁選が終わればすぐに選挙がある。野党は大汗をかいているに違いないだろう。
最近目立つ世論調査の記事
特に最近、「世論調査」の記事も目立つ。世論調査は内閣支持率や政党支持率を中心に、政策の是非、評価などについて「賛成」「反対」「どちらでもない」「どちらかといえば賛成」「どちらかといえば反対」などの選択肢を選んで回答する。総裁選に関する世論調査では「誰がこれくらいの支持率で、この候補とはこれくらいの差を広げているー」といった具合だ。一度目にしたことがある読者もいるだろう。
総裁選の投票資格があるのは?
特に総裁選の世論調査の記事について、しっかり読んでいるのか?理解しているのか問いたい。
まず、自民党総裁選挙の投票資格があるのは誰なのか確認したい。投票資格があるのは①自民党の国会議員②全国にいる党員・党友だ。しっかりとした世論調査のデータを得たいのであれば、①②を対象とした調査を行えばいいだけのこと。自民党の党員・党友ではない人に調査しても、はっきり言って意味がないのだ。
各社の世論調査を見る
では各社の世論調査記事を見ていこうではないか。果たして①②を対象とした調査が行われているのか。
毎日新聞の調査
毎日新聞は18日に社会調査研究センターとともに世論調査を実施した。肝心の調査は「携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)機能を使う方式と、固定電話で自動音声の質問に答えてもらう方式を組み合わせ、携帯732件・固定311件の有効回答を得た」としている。携帯のSMSと固定電話の自動音声だった。どこから来たかわからないSMSで、リンクに入ってしまう人とは……と思ってしまうが、話題を戻そう。
調査では次期自民党総裁に「誰に総裁になってほしいか尋ねた」。結果は以下の通り。
河野候補―43%
岸田候補―13%
高市候補―15%
野田候補―6%
このうち自民党支持層(この調査での自民党支持率は37%)では
河野候補―50%
岸田候補―14%
高市候補―25%
野田候補―3%
以上の通りだった。
毎日新聞では比較的、河野候補の支持率が高いことがわかる。その次点で高市候補、次が岸田候補、野田候補となっている。特に河野候補は自民党支持層での支持率が50%と半分。大変高い数字となっているが、自民党支持層37%内での数字。さらに調査対象は「携帯732件・固定311件」という限りなく狭い世界。「正確さ」でいえばよく分からない数字なのは明らかなので、信頼できるとは言えない。
産経・FNN(フジテレビ系)の調査
産経とFNNは18、19日に「RDD(固定・携帯電話)」を利用して「全国の18歳以上の有権者1,116人」に世論調査を実施した。
「菅首相の後任を選ぶ自民党の総裁選挙に、4人が立候補した。4人のうち、誰が新しい総裁にふさわしいと思うか」と質問。回答は以下の通り。
河野候補―52.6%
岸田候補―15.2%
高市候補―11.6%
野田候補―6.4%
調査方法はこちらも「固定・携帯電話」。1116人という調査対象が疑問になる。
ANN(テレビ朝日系)の調査
ANNは18、19日に「固定・携帯のRDD方式」を用いて世論調査を行った。対象は「全国18歳以上の1911人で、有効回答は1060人」だった。
以下、調査結果。
「誰が次の総裁になることが良いか」
河野候補―48%
岸田候補―18%
高市候補―10%
野田候補―7%
また自民党支持層では
河野候補―53%
岸田候補―20%
高市候補―13%
野田候補―5%
だった。
こちらは河野候補が大人気。自民党支持層以外でも48%で、自民党支持層では半数を超え、次点に位置する岸田候補に大差をつけていると見て取れる。ただこの調査も調査対象が1060人。こんな少ない数で「世論調査だ!」と胸を張れるのがすごいと思うのだが。
日本テレビの調査
日本テレビは17、18日に緊急電話調査を実施。対象は「全国の有権者のうち、自民党員・党友と答えた1010人」だとした。以下、調査結果。
河野候補―40%
岸田候補―21%
高市候補―15%
野田候補―5%
だった。
日本テレビは「全国の有権者のうち、自民党員・党友と答えた」人を対象に調査しているが、1010人は少し足りなく感じる。もう少し期間を確保し、調査した方がよかったのではないかと思う。
朝日新聞の調査
朝日新聞は告示前(11・12日)に世論調査を実施。
「コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式で、11、12の両日に全国の有権者を対象に調査した。固定は有権者がいると判明した1042世帯から575人(回答率55%)、携帯は有権者につながった2027件のうち902人(同44%)、計1477人の有効回答を得た」としている。いわゆる電話だ。
以下、調査結果。
「新総裁にだれがふさわしいか」
河野候補―33%
(石破茂氏16%。後に不出馬を表明)
岸田候補―14%
高市候補―8%
野田候補―3%
だった。
自民支持層では
河野候補―42%
岸田候補―19%
(石破氏13%)
高市候補―12%
野田候補―1%
だった。
無党派層でも
河野候補―28%
(石破氏17%)
岸田候補―11%
高市候補―6%
野田候補―5%
という結果だった。
河野候補がほかの候補を引き離す結果だったが、よく分からない調査も行っている。どうして「無党派層」への調査があるのかがわからない。前述したように、総裁選は「①自民党の国会議員②全国にいる党員・党友」に投票資格がある。そこを間違えてはいけない。
どうして調査対象が違うのか
これまで見てきたように、一部を除いておかしな調査が行われていることを強調しなければならない。自民党支持層に調査しても、その人が①②でなければ意味がない。そう、各社が実施している調査は、この人がいいな~という「願望」である。正確な調査を行うのであれば①②に絞って調査すればよいのに、しない。いや、できない。やりたくないのだろうか。何か言いたいことがあるなら「正確な調査」を行えばよい。そうすれば私も評価すると思うが、いかがか。
そして調査方法が「電話」であるのも見過ごせない。現代では、固定電話を置いている家庭があったとしても、その数は少なくなっている。総務省が公開した「令和2年度情報通信白書」によると、固定電話市場における全契約数は、「2019年度末時点で5,367万(前年同期比1.4%減)であり、引き続き減少傾向となっている」と報告した。
また、2008年に5846万契約だった固定電話の加入契約者数は年々減少。2010年には5747万、2015年5585万、そして2019年には5367万だった。
この調査傾向を参考に検討すると、今後も固定電話数が減少するのは目に見えている。さらにはスマートフォンの普及によって、固定電話を持たない世帯も増えるだろう。
そのため、電話を利用した世論調査は高齢者など、比較的年齢が高い世代に偏ってしまう可能性がある。その可能性を限りなく少なくするには、インターネットを利用した世論調査も必要になるだろうが、一部候補・政党の支持者が恣意的に調査に答えるデメリットも想定される。そこのバランスをどのようにしてとるのかが大切だ。
公平な世論調査・選挙を
私が何かと指摘しているのは、とにかく「公平・公正」に選挙を実施してほしいからだ。そうでなければ平等ではなく、「出来レース」となる。そんなものは面白くない。世論調査を実施するなら、選挙のルールに則って実施してほしい。それができないのなら、実施するべきではない。ただそれだけだ。
代表出そろう!!9/20の試合【秋季大会】第74回北海道秋季高校野球大会14
20日、来年春の選抜高等学校野球大会へとつながる、第74回秋季北海道高等学校野球大会が北見支部などで行われた。
このうち、函館支部では函館工業(2年ぶり27回目)と知内 (2年連続9回目)が、空知支部ではクラーク記念国際(2年連続3回目)と滝川西(2年ぶり23回目)が、北見支部では遠軽(2年連続16回目)が、十勝支部では白樺学園(17年連続20回目)と帯広工業(6年ぶり6回目)が代表決定戦に勝利し、全道大会への出場を決めた。
【函館支部】
【空知支部】
【十勝支部】
【北見支部】
20日をもって道内の10支部全20代表が出揃った。代表校は10月1日から開催される全道秋季高等学校野球大会にで熱戦を繰り広げる。なお、抽選は9月22日。
中国包囲網?新しい安全保障協定「AUKUS」が米・英・豪で締結ー小林英介の放言硬論ー
世界各国の中国包囲網が日に日に増している。15日、アメリカとオーストラリア、そしてイギリスが新しい安全保障枠組みを締結した。その名は「AUKUS」(オーカス)。アメリカ(USA)、イギリス(UK)、オーストラリア(AU)を合わせた言葉だ。この3国で協定を結び、中国に対応していくという。
中国は世界での存在感を高めている。中国に面する南シナ海では、インドネシアやベトナムなど、多数の国が領有権を争っている。さらにミャンマーでは民主政権が崩壊し、アウンサン・スー・チー氏らが率いる民主勢力が排除された。現在は軍事政権がミャンマーを握っている状態だ。中国はそのミャンマーをつたって中東からの石油等を中国まで輸送する計画を練っているとされている。ミャンマー国内にも線路が敷かれ、鉄道を利用してその石油を運ぶ計画なのだ。
もちろんそれはマレーシア・シンガポールの間にある「マラッカ海峡」をアメリカが封鎖した場合の話。ただ前述の通りアメリカと中国は関係性が悪くなっており、将来における封鎖の可能性も否定できない。中国からすればそれを見越してミャンマーを利用したい願望がある。
アメリカはトランプ政権から続く対立関係をバイデン政権が継承。またオーストラリアは中国に対し、新型コロナウイルスについて調査を要求したたため、貿易に関する対抗措置を中国が取り、関係が悪化している。イギリスはウイグル人権問題を巡って関係が悪化。イギリスがウイグル自治区への担当者(公安)に制裁を加え、中国が対抗措置でイギリス議会議員などに制裁を科した経緯がある。
BBCニュースが伝えたところによると、アメリカのバイデン大統領・イギリスのジョンソン首相・オーストラリアのモリソン首相が15日、共同声明を発表。オーストラリア海軍の原子力潜水艦保有を共同で支援する。またBBCでは「最大のパートナーシップになる」とのアナリストの声を紹介したうえ、アメリカにある中国大使館が「イデオロギー的偏見だ」と非難したという。
AUKUSは中国の海洋進出を念頭に、同盟力を強化したい3国の思惑が一致した結果、締結されたと見ることができる。中国政府は16日、TPP(環太平洋経済連携協定・環太平洋パートナーシップ協定)加入申請を行ったと発表し、ますます影響力を強めることが予想される。緊迫するアジア太平洋・米中関係はどこへ向かうのだろうか。
【高市外しはダメ】公平が無理なら討論会を開くなー小林英介の放言硬論
9月29日投開票の自民党総裁選挙。17日に告示されてから候補者たちは大忙しだ。
17日には演説会、共同記者会見を行い、18日は日本記者クラブ主催の討論会が開かれたのはご承知の通りだ。
ところが、18日開催の討論会において、候補者たちの「公平性」が問題となっているのだ。
選挙というものは、公平に行わなければならない。誰か1人の候補に偏った放送はもとより、特定の候補を応援する地上波番組があるのであれば、少々首をかしげる。それは候補者への質問も同じだ。誰か1人の候補にだけ質問し、他候補には一切質問しない、させないことは言語道断。公平性などなくなってしまう。
今回の総裁選討論会では、この「誰か1人の候補にだけ質問し、他候補には一切質問しない、させないこと」と同じような現象が起きた。高市早苗候補・野田聖子候補への質問が少なかったのだ。いや、ほとんどなかったに等しい。
私が見た感覚では
河野候補>岸田候補>野田候補>高市候補
といった順で、質問数が少なかったように思う。
では、なぜ高市候補は虐げられているような扱いを受けるのだろうか。理由は様々あると思われる。そのうちの一つを紹介しよう。
高市候補は出馬会見でNHK改革に着手すると明言している。総務大臣時代に打ち出したNHK改革を、総理大臣に就任してから実行に移す可能性がある。もしNHK改革が成功したら、次の標的は民放だろう。出馬会見で「放送波」について言及したこともあり、テレビにとっては「敵」なのだ。
またその改革が成功すれば次は新聞...?となる可能性もなきにしもあらず。「特に最近、報道の質が問われている新聞・テレビをはじめとしたマスコミへメスが入れられるかも」と考えている人もいるかもしれない。高市候補はそれを実行する勢いがある。
自民党の派閥内で「誰々潰し」という動きがみられたように、社会は残酷だ。「役人は潰し合いで生きていくんだ。誰かを蹴落としてでも上に行くんだ」公務員時代、とある人に教えてもらった。でもこの認識が公務員全体に渦巻いているわけではなかろう。
話が脱線してしまったが、とにかく「公平性」を担保できないのならば、討論会を開いてはいけない。担保できないのにどうして討論会を開いたのか。見切り発車なのか。気にしなかったのか。
そしてもう一度マスコミ各社は考え直すべきだ。「公平な選挙」とは何なのか。「政治」とは何なのか。「報道」とは何なのか。マスコミは「どうあるべき」なのか。自省を促し、文章の締めとしたい。
高市外し?それにしても橋本五郎さん、良い質問でしたー自民党総裁選挙候補者討論会ー
18日午後から、日本記者クラブが主催した自民党総裁選挙の討論会が開かれた。
その中で一番印象的だったのは、橋本五郎さん(読売新聞特別編集委員)の質問だった。
それは新型コロナウイルスの分科会についての質問。
分科会の大半は感染症の専門家であることを示したうえで、以下のように岸田候補に質問した。
「感染症の専門家だけではなく、少しずつ経済の専門家も分科会メンバーに入ってきているが、これからウィズコロナ(コロナとの共存)を考えたとき、経済の専門家をもっと入れるべきでは」
この質問は個人的にいい質問だと思った。
新型コロナの感染拡大を声高に叫ぶのは良いのだが、ワクチン接種も進み、これからは経済の再生についても考えていかなければならない。もちろん感染症の専門家は、感染拡大を心配するのだから、それを踏まえた発言になるのは仕方がない。
問題はそれを「真に受けるか」「意見として参考にするか」である。
専門家の意見ばかり聞いていては、物事が進まないのはこの数年を見ていれば明らか。コロナが出現して1年以上経過し、今までの対策から転換した政策を取るべきだと思う。今までは「ムチ」だけを使っていた。すなわち「アメ」がなかった。もうそろそろ「アメ」と「ムチ」を手にして、使い分ける時期に来ているのではないだろうか。
また質問への対象者が河野候補と岸田候補に偏っていたことも付け加えたい。何か「何らかの力」がはたらいているのでは?と勘ぐってしまうような討論会だった。
誰が総裁になっても日本は変わらないという声もある。私はとにかく、「日本を素晴らしい国にしてくれる人」を求める。4人の候補者の中で、一体誰が総裁にふさわしいのか。個人的に考えていきたい。
各候補者はどう答えた?自民党総裁選・候補者共同記者会見
各候補者はどう答えた?自民党総裁選・候補者共同記者会見
17日に公示された自民党総裁選挙。同日13時からは各候補者が演説を行い、自分の政策について訴えた。
その後15時からは候補者が共同記者会見を行い、記者の質問に答えた。
各候補者はどう答え、どう対応したのだろうか。以下、質問と回答を述べる。
なお質問は「ー」の後。回答はその下の文章とする。また各候補者は以下のようにあらわすこととする。
KO=河野太郎候補
KI=岸田文雄候補
T=高市早苗候補
N=野田聖子候補
質問は幹事社の質問が3つあった後、各社が質問した。
幹事社の質問1 総裁選とコロナ
ー総裁選最大の争点は何?
KO国民からの支持
KI自民党の改革(信頼回復)
T国民の命を守り抜くこと
N任期でできることをやる
各候補とも違うことを争点として挙げている。野田候補の争点はあいまいだった。
ー総裁になったら実現したいことは?
KO賃上げ、年金改革などで国民に生活が豊かになりつつあると実感させること
KI新しい日本型の資本主義を構築すること
T日本経済強靭化計画を実施すること
N社会活動を取り戻していく(学校などを中心に)こと
ーコロナ対策の出口戦略は?
KO規制を取り払い、デジタル活用、給付金支払い(必要に応じて)などを行い、早く検査できるキットを安く大量に供給すること
KIワクチンを希望者に接種してもらうこと、治療薬などの開発・普及、経済活動を維持すること
Tコロナ治療薬処方の環境を整備、感染拡大時のための法律整備
N当たり前のように医療を使えるようにする、期間限定の病院を作ること
幹事社の質問2
ー皇位継承についてどう考えるか?
KO有識者会議の取りまとめを尊重する。世の中の共感を得ることが大事。
KI女系天皇反対。
T男系維持のために工夫していく。
N皇位について(総裁選では)議論すべきではないと考えているが、男系維持は難しい。国民にも意見を求めていく。女系天皇も皇位継承ということを考えれば、選択肢に含まれる。
河野候補は回答があいまいだった。野田候補は女系天皇も選択肢に含まれるようなニュアンスの回答だった。
ー憲法改正についてどこを重点的に考えているか、スケジュールは?
KO4項目と野党案を持ち合って議論し、まとまったものから進める。
KI改正は推進すべき。(4項目)自衛隊、緊急事態、教育充実、1票の格差についてはどれも重要。任期中に改正のめどをつけたい。
T改正すべき。自民党から出ている4項目(上記4項目)。特に危機管理条項、9条。「公共の福祉」の概念の明確化
N改正すべき。4項目もいいのだが、国民に聞くのもいいんじゃないか。
岸田・高市候補は「自衛隊」「緊急事態条項」「教育充実」「1票の格差是正」を改正したいとの思いを受け取れた。河野候補は野党と相談しながら改正したいと回答した。
幹事社の質問3 説明責任について
ー森友学園問題は再調査する?しない?理由も
KO公文書管理は大切。再調査の必要はない。
KI足りないことがあれば説明したい。
T文書改ざん・パワハラはあってはならない。再調査については(裁判中のため)コメントできない。
N改ざんなどはあってはならない。調査は必要。
野田候補は必要との回答。岸田候補は「足りないことがあれば説明」とどちらともとれるような回答をした。
ーコロナは「ゼロコロナ」・「経済との両立」どちらを目指す?コロナ増税はある?
KOゼロコロナではなくウィズコロナ。
KI治療薬などがそろうまで、経済対策。
Tゼロコロナは難しい。できるところから経済を動かす。増税はせず、経済を動かす。
Nゼロコロナはない。経済活動を動かしながら、バランスをとりながらやっていく。
しっかり回答しているのは、高市候補だけだったように思える。
ーここから各社の質問ー
ーコロナの経済への影響。業種間個人間での影響に差が出ているが、どう対応するか。経済対策の実施時期なども。
KOデータを用いて早期支払いを行う。規模別に必要な金額を支払い、先払いで、金額が違ったら返金してもらう。
KI数10兆円の経済対策。地域・業種に限定されない、規模に応じた支援。個人へは女性や子育て世帯など苦しんでいる人に対して支援。
T口座とマイナンバーへの反発があったが、実現に近づいている。すぐ振り込めるようにしていく。特別定額給付金再給付(困窮者)の検討。
N一律給付の体制を作りたい。飲食店については、それぞれに見合った給付を行う。
ー中国など権威主義体制国家との外交・防衛策は?TPPに中国が参加するとも表明した。どう対応するのか?
KO国際社会で断固として立ち向かう。価値観を共有する国同士で立ち向かう。中国が武器を買ったとしても、日米同盟などと連携しながら安全保障を考えていく。
KI価値を共有する国とともに姿勢を示していく。経済安全保障については担当大臣を置く。TPPについては、中国が高いレベルのことを受け入れられるかどうか注視していく。
T中国の兵器開発などで日本の技術が取られないよう、スクリーニングをかける。TPPはしっかりと議論する。
N中国などの脅威に対して、国民のコンセンサスを取っていかなければならない。TPPについてはしっかりとレベルを確認して検討すべき。
岸田・河野候補は「価値観を共有する国」という言葉を使った。もう少し具体的な言葉をもらいたかった。
ー10月4日に臨時国会が召集される見込みとなった。総理となった場合は、その臨時国会で所信表明するか。総理就任直後に衆議院解散などの判断を迫られるが、選挙への対応は?
KOしっかりやってまいりたい。
KI所信表明を明らかにしたうえで選挙を行うべきだ。選挙をお願いするために、すべきことを国会で行った後で選挙を行うべき。
T限られた時間で人事などを行わなければならない。国会では所信表明をすべき。精一杯のことを伝える。
N所信表明を行い、質問も受け、国民の不安を取り除くことが仕事だ。国民との不信を取り除くため、説明責任を果たすに尽きる。
共同記者会見の内容は以上だ。
読者の皆さんは、回答を見てどう感じただろうか。
質問にしっかりと真正面から答えている候補もいれば、そうでもない候補もいた。質問への対応力というのも、総裁・総理に求められる。
今後は、18日午後2時から日本記者クラブ主催の公開討論会を開催。20日は自民党青年局・女性局主催の公開討論会が開催される。
また23~26日にはオープンタウンミーティングがオンラインで開かれ、28日に党員投票が締め切られる。そして29日13時から運命の投票・開票作業となる。
※この「オープンタウンミーティング」には私も申し込む予定。何を質問するかはまだ決めていないが、もし質問の機会をいただけたら疑問をぶつけたいと考えている。このブログでも感想を含め共有したいと思っている。
野田聖子候補の政策~自民党総裁選
野田聖子候補の政策~自民党総裁選
自民党総裁選挙が17日、告示された。
候補者は4人で、届け出順に以下の通り。
各候補者は17日午後1時から所見発表演説会に臨んだ。それぞれの政策については以下の記事を参照してほしい。ただし、野田聖子候補の政策については、過去記事の次に述べることとする。
chimatabaseball.hatenablog.com
chimatabaseball.hatenablog.com
chimatabaseball.hatenablog.com
野田聖子候補の政策
まず野田候補は「私が今回どうしても失望しようと考えたある大きな理由があります」
「それは自民党の対応性を示さなくてはいけないということです」と話し始めた。
そのうえで「残念ながらこれまでの候補者の方たちの政策を見ていると、やや足りていないと感じていることがある」「例えば人口減少。これは日本の経済だけではなく安全保障にも関わる極めて重大なテーマ。そして日本の未来を担う子ども、女性、さらには高齢者、障害者、という社会的弱者、介護政策や貧困の格差などが挙げられます」
「つまり小さきものや、いわきものをはじめ、人の暮らしが見えません。主役にならない人々へ向けた政策が十分ではないといってもいいでしょう」と他候補との違いを鮮明にしたいようだ。
さらに「自民党の強さとは多様性です。自民党がこれまで多くの国民に支持されてきたのは、様々な政治信条、様々な政策を持つ多様な人材が真正面から意見をぶつけ合わせ、時には激しく対立するほど真剣に論争してきたからです」「異なる価値観を受け入れるという日本の伝統的な寛容さ、多様性を体現する保守性。それが自民党です」と述べた。
そして問題提起として「候補者の方たちの主張の中で出ていない、我が身を振り返るということを、ぜひ議員、党員の皆さんに投げかけたいと思います」「つまり反省と検証が必要ではないかということ」として、自民党には反省と検証が足りていないと強調した。
「今回、自民党を改革するということが大きく叫ばれています。もちろん何か問題があるのならばそこを変えていかなければいけないのは当然」「国民からは党内で国民の支持がないのはあいつのせいだと誰かに責任を付き合っているようにも見える」「また選挙のかを選ぶ権力闘争という厳しい評価も聞こえてきている」と話した。
そのうえで「党改革を叫ぶ自民党と、もっと世の中を良くしてほしいと願う国民感覚とズレが生じている。だからこそ私はまずは反省と検証が必要だと思う」「誰かのせいにするのではなくまずは自分たちが至らない点があるのではないか、と検証する与党としてしっかりと国民の期待に応えていたのか」
「そして今、信頼が低下してしまっているのはなぜなのかということを、議員一人一人がしっかりと向き合う。そうしてからは初めて新しいことに手をつけ、原点回帰する意味があるのではないか」と自民党への厳しい追及を行った。
具体的な政策としては、以下のように話した。
コロナ
「まず最優先すべきはコロナ対策」。
今後は
①スピード重視、早期発見、早期治療の徹底
②フェアな支援、働く人は一律給付、現実的公平な経済視
③安心安全の前の不安を国民から取り除く
ゼロコロナではなくインフルエンザと同じような状態に。
そのためには早期発見、早期治療の徹底が必要。
軽症患者をスピーディーに診察し、重症化を防ぐ。
働く人への一律給付、現実的公平な経済支援を行う。
「医療体制ができるまでの間、経済活動を控えていただくことがあったら
会社員はもちろん、パート、アルバイトなどすべて働く人に現金一律給付を行う」
飲食店などの協力金は、これまでのような一律から納税や店舗の規模等を考慮
した現実的公平なものに変える。
人口減少問題
「私は総裁になったらまずは人口減少というものを経済問題
安全保障の問題として扱い、国民にもそのような理解を強く持って
いただくような敬作啓発を進め人口減少を止める」と大胆発言。これが国家
の危機だという位置づけを明確にする。人口減少は日本の主権を脅かすものでもあるとし、危機を訴えた。それへの対応の一つとして「子供庁の設立」を推進し、貧困問題の解消など、子どもへの投資を積極的に行う。
多様性など諸政策
そして多様性を取り入れるとして、「野田内閣の女性閣僚は全体の半分になるように目指す」ようだ。政治では「障害者、高齢者、介護、貧困などにしっかりと目を向けたプッシュ型の対策を進める」。
地方創生ー全国に張り巡らされた郵便局、JAのネットワークをフル活用。国土強靭化をさらに加速させ、災害にも強い日本を作っていく。
エネルギー政策ーは2030年の原子力の構成比を20から22%という目標を支持。
ベースロード電源としての原子力発電の重要性は高く、急にはゼロにするということは現実的ではない。
私は総裁になったら「自民党に公文書の取り扱いに関するチームを作る。そして二度と公文書廃棄などの問題が起こらないようにする」「必要に応じて必要な調査をし、しっかりとした制度をみなさんと作ることを約束する」
外交安全保障ー「アジア諸国などの対話を重視してきた日本の安全保障は優れた外交だ」「日本は自らの力だけで進んでいるわけではなく、アメリカをはじめさまざまな国とつながっている。これらのパートナーシップをさらに引き締める」
最後には「立法府の人間として、ここにいる仲間たちと発達障害者支援法や政治分野における男女共同参画法など、多様な取り組みを進めてきた」「そんな多様性という視点を武器にこれからの総裁選をしっかりと戦い抜いていきたい」と話して、演説を終えた。
他候補と比べて劣勢の野田候補
野田候補は、他の候補との違いを明確にしたかったとみられるが、あからさまな「他候補とは違うんです!」という考えを表してしまっていた。
だが野田候補は子育てや社会的弱者への政策が多く感じた。女性として、弱者を包み込むような政治を進めていくのだろうか。
懸念があるとすれば、一部報道にあるようなことや、総裁選告示の直前に「何とか・ギリギリ」間に合わせたような感じがしてならない。比較的早期に立候補が取りざたされていた3候補と比べると、劣勢であるのは明らかだ。
劣勢からどうやって信頼を得ていくのか。そこを見ていきたい。